【神奈川】プラスチックごみ問題を解決する糸口になるかも――。鎌倉市立西鎌倉小学校の花壇の土から、慶応大学理工学部の宮本憲二教授らの研究チームが、プラスチックの分解菌を発見した。28日の日本分子生物学会で発表した。
慶応大学が代表機関を務めるチームは2022年度、西鎌倉小学校の6年生(3クラス約110人)を対象に「地球に還(かえ)るストロープロジェクト」を実施した。
プロジェクトの実証実験では、ポリプロピレン(PP)でできた給食のストローを使用した。PPは自然界では分解が難しいプラスチック。これらを分解しやすくする植物油由来の添加剤「ピーライフ」を加えたPP製の使用済みストローに、熱処理を施して粉末状にした。その後、校庭の花壇の土と混ぜて数週間放置したところ、複数の分解菌を確認し、その中からよりPPに反応する分解菌を特定した。
この分解菌は児童と相談し、ラテン語で「西鎌倉の土から取れた」という意味で「ニシカマエンシス」と名づけた。今後、新種と確認されれば正式名称になるという。
これまでは、ピーライフがPPを分解する際に作用する分解菌は特定できていなかった。今回、発見した分解菌は、ピーライフがない状態でもPPを分解していたという。
25日に市役所で記者会見した宮本教授は、「プラスチック問題を解決できる可能性を示すことができた」と話した。